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2021年10月14日 (木)

卵焼きちゃん。

 毎日作る卵焼きの良し悪しで、その日の気持ちのコンディションが分かる。
自分の作る卵焼きというと、出汁が多めのちょっぴり甘いタイプだ。その日の気分でネギを刻んで混ぜたり海苔をちぎって入れたりもする。シンプルなのももちろん好きなのだけど、切った断面が華やぐので最近はなにかしら混ぜて焼くのにはまっている。先日などは絹ごし豆腐を出汁の代わりに加えてやったら、なんともプルンプルンの仕上がりに。
毎日作る卵焼きだもの、作る本人も楽しまないとやってられない。それくらい卵焼きへの想いは特別なもの。

 フライパンがしっかり温まったのを確認したら薄く油を敷きそこへジュッと卵液を流し込む。ぷくぷく膨らむ大きな泡を菜箸の先でつぶしながら手前から奥の方へ卵を寄せる。この時点でうまくまとまらなくても大丈夫。
そのあと2度目の卵液をジュッと流し1度目の卵の下にも液をもぐらせてやる。頃合いを見て今度は奥の方から卵を巻いていく。右手と左手で息を合わせてエイっと畳んでゆく感じだ。このとき右手より左手のほうがポイントになる。そこに自分の呼吸をのせる。
その都度油を敷いてやって、これを5、6回繰り返すと出来上がる。出汁が多めに入っているので火加減は常に強めの中火くらい。途中目を離してしまうと色が強く入ってしまうし、火加減が弱すぎても卵の香ばしさが薄れてしまう。
なかなか主役にはなれない卵焼きではあるが、なかなかどうして奥が深いのである。

というわけなのだが、毎日こんなふうにうまくいかないのも卵焼きの性分だったりする。
何ゆえ、作る人間がそのまま映し出されてしまうのもこの卵焼きちゃんなのだ。
まず一番最初のフライパンの温めが足りなかったりすると、もうこの時点で「今日はアカンなぁ」となる。
たいがいそのようなときは、その後の工程もイマイチな感じになるものだ。最後までアカ〜ンってな感じでいってしまうと「今日のワタシ、調子悪いな」となる。心の乱れ精神の乱れが、目の前の卵焼きちゃんに投影されるのである。
また、こういうのもある。
最初はアカ〜ンだったけど、途中で我に返って気持ちを整えて最後は華麗なゴールを決めるパターンもあるのだ。途中ワタシがやったのは、たった一回の深呼吸である。深呼吸によって自分自身と向き合うのである。
だから最初から最後まで流れがうまくいったときというのは、なんだか朝から気分がいい。そういうときはたいてい無になっているんだと思う。気付いたらいい感じに仕上がってるじゃん、みたいな。


たかが卵焼き、されど卵焼きなのであーる。

 そして今日は後半戦で失敗しつつ、あぁもうダメかもと一瞬思ったけれど、なんとか最後は持ち返したパターン。
途中でよからぬ考え事をしてしまったのが原因だろう。

 さて。今日の後半戦もがんばっていこうっと。

 

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