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2016年7月25日 (月)

料理への想い

 ご縁をいただき7月の上旬に、名古屋市の児童養護施設にてこども料理教室をさせていただきました。あれから日にちも少し経ってしまったけれど、今現在、自分の中にある気持ちを書き留めておくのは大事だと思い、ペンをとることにしました。

 だいぶ前に下見もかねて施設の訪問をさせていただいたことがあった。外で元気に走るまわるこどもたち、台所で宿題をする子たち、リビングで寝ころがってテレビを見てる子たち、、、その風景は普通の家庭の子たちとなんら変わりなく見えた。
ここでこどもたちと楽しく料理ができるぞ!と、なんとなくその楽しい絵を想像しながらその日は帰ってきた。
 しかしながらその帰り道、私の中に小さな違和感が生まれたのはたしかだった。それはあの子たちは様々な家庭の事情でここに暮らしていて、恵まれた家庭で育った子たちとはどこかが違うのではないかというのを、私が勝手にあの子たちをそういう目で見てやしないだろうか、という自分に対する違和感だったのだ。それはあきらかに、偏見というおとなの世界の歪んだ見方ではないだろうかと。
 そしてこの気持ちを抱えたまま、料理教室の当日を迎えることになった。
この日は自分でもどうなるか分からなかった。でもこどもたちに会う前に、いろいろに思いを巡らすことはそもそも違うと思った。
 いざこどもたちを目の前にすると、不思議なことにいつものメロディ先生が降りてきた。パクパクキッズのメロディ先生だ。あのメロディ先生のままだった。
こどもの中に入ると、自分の中のこどもスイッチが勝手に入る。いい歳して、メロディ先生の頭の中はこどもと一緒なのだ。
そしてやっぱり、料理教室のくせにあまり料理してるっぽくなくてほとんど遊びの延長みたいになる、というパターンもいつもの通りだった。
 料理を終えていちばんに感じたことは、こどもはやっぱりこども!ってことだった。ここに来るまでいろんな偏見を抱いていた自分が情けなくも思えた。こどもはみんな一緒だ。

 ただ、これはあくまでも私個人として感じたことだけど、ここにいるこどもたちは普通のこどもたちなら経験しなくてもいいような心の葛藤を、どこかでしているんじゃないか、ってことだった。(そもそも普通って何なんでしょうね)
あの子たちの表情の奥にあった薄いベールのようなものを感じずにはいられなかった。ことばで表すのはとてもむずかしいのだけど、寂しさとか、心の葛藤とか、そういうものだと思った。こどもたちとおしゃべりしていたとき、まるでその子自身の存在を「私、大丈夫だよね」みたいに確認するかのように私にすり寄ってきたり、座っていたら膝の上にちょこんと乗ってくる子もいたり、そんなときにこの子たちの言葉の奥にある何かを、どうしても感じてしまうのだった。

小さい子なら、葛藤を葛藤と思っていないかも知れないし、それがあたりまえだと思って大きくなることもあるだろう。中学生くらいになると、それが反発心となって表に出されることもあるだろう。いずれにしても、彼らには寂しさと戦わなくてはいけないという現実があることだと思う。彼らは寂しいと思っていても、寂しいとは言えない現実があるのではないだろうかと。それが幸せか幸せじゃないか、、、そういうことではなく。
ただ言えるのは、どんな子も幸せになっていい権利がある、ということだと思う。ここにいらっしゃった先生方は、まるでこの子たちのお父さんやお母さんのように接していて、ここにちゃんと幸せな家族の絵があるではないかと、思わず涙が出そうになったほど。両親がいながらも寂しくてしかたなかった私にとっては、なんだかとても考えさせられる経験でもあった。

だからって、この子たちのために私に何かできることはないだろうかと思っていても、何もできないのが現実だ。
でも、もしこんな自分でも何かの役に立てるのだったら、料理を通してこどもたちとつながっていけるんじゃないかってこのとき思った。
もともと料理がすごく上手になりたいとか、そういうところは目指していないから、(そりゃぁ下手よりうまいほうがいいに決まってるけどさ)料理っていう私の表現で、これからもたくさんのこどもたちと分かち合っていけたら、、、この経験を通してあらためてそう思ったのでありました。
私の中の料理に対する想いも、少しずつ変化し進化しつつある今日このごろです。

 

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