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2011年5月30日 (月)

台風のあと

朝の雨上がりの透明な空気が心地よかった。汚れた想いも汚れた涙もみんな洗い流してくれたみたいだった。

学校が休みだと言ってたタクミはソファの上で朝寝坊。そのままそっとしておいてあげたかったのであえて起こさず寝かせておいた。平日に好きなだけ寝ていられるなんて子供にとっては天国だもの。私があいつに唯一してあげられることといえばせいぜいこんなこと。

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昼間はずっとキッチンで仕込みしてた。

できるときにまとめてやっておくと忙しくなったときに楽なのだ。買ってきた野菜やお肉、お魚もみんな下ごしらえした。このひと手間が「美味しい」に変わる。昔は「いかにして手間をはぶくか」みたいなことを料理のテーマみたいにしてやってきたこともあったけど、今はまったく違う想いです。

手間をかけたぶんだけ美味しくなるもの♪料理って。

手抜き料理からは決して「美味しい」は生まれないと思うし、「手間」こそが「愛情」だということを自分でお店するようになってから感じました。

だから時間があれば仕込みしてる。きっとこういうことが好きなんだろうな、、、私。

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キッチンにいたら、2階からドンドンと音が響いてきた。タクミが起きたよう。

残ってた最後のスープカレーを「うまい、うまい」と言って食べてた。その食べっぷりといったら、なんともたくましいかぎりで。男兄弟そして男親の中で日々暮らしているとこうもなるんだな。

会うたびに大人びていく彼を見ていると嬉しくもあり、だけどなんだか少しづつ遠くに行ってしまうような気もしてちょっとだけ淋しくなる。

母親の中では自分の子供っていうのは、いくつになっても「こども」なのだ。私の中で彼らはいつまでも自分が家を出たときの、、、あの当時の可愛らしい息子たちのままで居る。

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夕方の 電車が混む時間帯の前に帰ったほうがいいと言って、タクミもリュックに荷物を詰めはじめた。この時はいつもなぜだか空気がしんとしてしまう。懸命に言葉を探そうとするけど見つからなくて。

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おにぎりと玉子焼きを持たせて駅まで送って行った。こんなことくらいしか彼らにしてあげられることはないもの。あの子たちの顔を思い浮かべながら握った鮭のおにぎりとちょっと甘い玉子焼き。

いつもみたいにホームに下りていくタクミをこっちで確認して振り返らずに自分は自分の場所に戻って行った。苦しくて苦しくてたまらないこの時間をどうやって過ごそうか必死だった。

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窓越しの夕方の空はどことなく淋しい。台風のあとの風が電線を揺らしてる。空気は澄んでいるせいか今日は遠くの山々がくっきりと藍色にふちどられて見える。

これから日が落ちてくるという曖昧な時間だ。あまり好きじゃない時間。

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早く王子帰ってこないかな。ひとりが怖い。弱い自分。

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